研究概要 |
本研究の目的は, オ-ストラリア・ダ-ウィン近郊に連続的に稼動可能な観測網を構築し, (1) 巨大積乱雲(ヘクタ-)の大気電気学および大気力学の両性質を考慮した物理モデルの確立(2) 同地域の雷嵐活動の経年変化と地球電気回路への寄与の検討を行うことである。なお, 本研究遂行のため整備する観測網は研究期間終了後も稼動可能で, 同地域における恒久的な, 対流, 降水, 雷嵐活動の観測, および研究体制の整備が期待できる。 これらの研究目的達成のため, 研究代表者や分担者らが独自に開発した雷放電路可視化装置である, VHF波帯広帯域ディジタル干渉計を複数台用いた観測網を構築し, 観測を行うことでヘクタ-を大気電気学的に理解する。また, オ-ストラリア気象局が運用しているCバンド二重偏波ドップラ-レ-ダや高層気象観測デ-タにより, ヘクタ-を大気力学的に理解する。これらの観測デ-タを有機的に統合することで, 電気と力学を含んだ自己矛盾のない積乱雲モデルのシミュレ-ションや, 気候変動への寄与を明らかにする。
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