研究課題/領域番号 |
18253006
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清川 昌一 九州大学, 理学研究院, 講師 (50335999)
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研究分担者 |
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 助教授 (10272098)
池原 実 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 助教授 (90335919)
北島 富美雄 九州大学, 理学研究院, 助手 (40274427)
根建 心具 鹿児島大学, 理学部, 教授 (10107849)
山口 耕生 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (00359209)
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キーワード | 太古代 / グリーンストーン帯 / 熱水脈 / 黒色チャート / 縞状鉄鉱層 / ピルバラ / バーバートン / バクテリア |
研究概要 |
太古代・原生代の海底環境の復元が本研究の目的である。18年度は1)太古代の海洋底層序の比較、2)黒色チャート、BIF層の掘削準備、3)DixonIsland層の化学分析、4)顕生代海底環境のレビューを行った。1)太古代の海洋底層序は南アフリカバーバートン帯の地質調査を2カ月間行った。地球上に残された30億年以前の低温グリーンストーン帯は、西オーストラリア、ピルバラ地域と南アフリカバーバートン帯が有名である。ピルバラ地域については、詳しい地質調査を行い海洋底環境を残す層序を明らかにしており、南アフリカとの比較が大きな焦点であった。バーバートン帯のグリーンストーン帯でも、ピルバラ地域と同様に以下の層序が残っていることが明らかになった。a)枕状溶岩を含む海底火山岩、b)熱水石英脈を多く含む高変質帯および有機物に富む黒色チャート脈、c)黒色チャート堆積層、d)縞状鉄鉱層をふくむチャート層である。これは、清川(2000)、Kiyokawa et al.(2006)で提唱した「黒色チャート、BIFシークエンス」と同様なものであり、太古代における海底堆積物は非常に規則的な堆積相を残すことが明らかになった。また、150mにおよぶ連続BIF層の層序を詳細に記載し、地質柱状図作成・サンプリングを行った。2)黒色チャート、BIF層の掘削については、西オーストラリアにて掘削準備を進めた。掘削地域の最終確認(ポイントを決める)、Native clearance(アボリジニの自然区域への許可)、および掘削コンサルタントとの打ち合わせをおこない、掘削を平成19年度夏に行うことが決まった。以前からの国際プロジェクトの継続であるが、掘削地点の違いにより当初の見込みより前準備が異なり、また資源高騰のために掘削コンサルタントの選定に時間がかかった。3)地質調査の概要が終わっているDIXON Island層については、詳細な化学分析を行った。50個の微量元素・希土類元素測定、詳細な黒色チャートの全岩炭素組成、同位体を測定した。ユーロピューム異常などの熱水の影響を示すシグナルがでており、炭素物質についても側方変化が大きいことが明らかになった。4)太古代・原生代海洋の特徴を明らかにする目的で、顕生代海洋環境のレビューを行い、その成果を公表した(Ito and Komuro, 2006)。
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