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2006 年度 実績報告書

ドイツ最先端模擬大気チャンバーを用いたラジカル計測による大気反応機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 18254001
研究機関首都大学東京

研究代表者

梶井 克純  首都大学東京, 大学院都市環境科学研究科, 教授 (40211156)

研究分担者 加藤 俊吾  首都大学東京, 大学院都市環境科学研究科, 淮教授 (20381452)
金谷 有剛  地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (60344305)
キーワードOHラジカル / 大気寿命 / 植物起源VOC / N_2O_5 / NO_3ラジカル / 窒素酸化物除去量
研究概要

平成18年度は夏に苫小牧北海道大学演習林においてOHラジカルの反応性、植物起源のVOCおよび窒素酸化物の測定を米国NCARのAlex Guenther博士およびJim Greenberg博士らとともに行った。概ね清浄な大気が観測されたが、数日に渡り汚染空気塊の飛来も観測された。OHラジカルの反応相手として最も重要なのは植物起源VOC(イソプレンおよびテルペン類)であり、全体の30%程度を占めることが明らかとなった。中でもイソプレンは最も重要なVOCであることからNCARおよび首都大で独立に異なる手法により測定したがその結果は完全に一致したことから高い精度が期待される。約70種類の化学物質を同時測定しOHラジカルの反応性を予測した結果は、レーザーによる実測の約70%程度しか説明できないことがわかり、未知なるOHラジカルの反応相手の存在が明らかとなった。都市郊外の大気で重要なのは窒素酸化物であるが、苫小牧では全体の10%以下であった。未知なるOHラジカルの反応相手はイソプレンと類似の挙動を示すことからイソプレンの酸化物の可能性が示唆されたがMVKやMCRのような酸化物の測定結果を考慮しても説明ができない未知なるOH反応相手が必要となった。
NO_3/N_2O_5の観測を夏季に首都大周辺で行った。夏季は気温が高いことからN_2O_5は熱分解により化学平衡がNO_3ラジカル側に偏っていると考えられる。そこで、夏季におけるN_2O_5のエアロゾルによる取り込み過程の寄与を調べるためにエアロゾル表面積、窒素酸化物およびVOCの総合観測をいった。夏季はN_2O_5のエアロゾルによる取り込みよりもNO_3ラジカルのVOCとの反応過程が重要であることが明らかとなった。NO_3/N_2O_5の定常状態を仮定した近似式を用いて観測結果を評価した。一晩の窒素酸化物除去量は夏季では2.0ppbv/nightとなり、一方冬季は2.3ppbv/nightとなった。冬季においては一日の窒素酸化物の除去量のうち約40%が夜間に除去されていることが本研究により明らかとなった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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