研究課題
基盤研究(A)
ドイツ最先端チャンバー内において合成された空気のOH反応性計測や、N_2O_5の濃度測定を通して、1. 我々の開発してきたレーザー誘起蛍光(LIF)法によるラジカル計測装置の妥当性の検証、2. 未知なるOHラジカルの反応相手の探索、3. 非レーザー法によるOH反応性測定装置の開発、4. RO_2とHO_2の分別計測法開発、5. 都心大気の集中観測とOH反応性計測、6. N_2O_5とエアロゾルの化学計測を行った。その結果、我々の測定装置は妥当なものとして世界の大気化学研究者から認定された。未知なるOH反応性については大気中で光化学的に2次的に生成する化学物質に加えて移動、固定発生源からもかなりの量の未計測のVOCが排出されていることが示唆された。オキシダントの直接の前駆物質である過酸化ラジカル(RO_2とHO_2)の大気中での性質の違いについてその反応性から明らかとなった。HO_2は水溶性が高いことから実大気中ではエアロゾルなどによる取込み過程が重要である可能性が指摘された。都市郊外でも都心部でもOH反応性計測から、未知なるOH反応相手が15-50%存在しており、特に都心部では冬季においてもその寄与が大きいことが明らかとなった。首都大学東京八王子キャンパスにおいてN_2O_5とエアロゾルの計測を行い、夜間にN_2O_5の濃度減衰とそれに呼応したエアロゾルの成長およびナイトレートの増加が確認され、N_2O_5経由の硝酸生成の重要性が実証された。
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大気環境学会誌 Vol.44, No.1
ページ: 33-41
Atmos. Environ 42(doi : 10.1016/j.atmosenv.2008.05.056)
ページ: 7812-7820