研究課題/領域番号 |
18254002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
目黒 公郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40222343)
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研究分担者 |
越村 俊一 東北大学, 工学系研究科, 准教授 (50360847)
高島 正典 富士常葉大学, 環境学部, 准教授 (60424909)
近藤 伸也 東京大学, 人と防災未来センター, 主任研究員 (50426532)
村尾 修 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (70292753)
庄司 学 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (60282836)
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キーワード | 津波 / 津波警報システム / 多目的海洋観測ブイ / 避難シミュレーション / スマトラ沖地震津波 |
研究概要 |
多目的観測ブイの試作品として、音響測深による水深計測機能を持ったブイを設計・製作した。そのブイを、防災科学技術研究所・平塚実験場の波浪観測塔付近に設置し、約3週間の試験運用を行った。試験運用の結果得られた主な知見は、以下の通りである。 ・試作機を使用して海況が穏やかであれば、安定して水深を計測できることが確認できた。ただ、強風等により海況が荒れた場合に、測深データに欠落が生じることが確認された。波浪観測塔から撮影した試作ブイの挙動映像によれば、これは、波が立ってきた際に、ブイの姿勢が崩れ、測深用の音波を直下に発信できないことによるものと考えられる。波によって姿勢が崩れるのは、ブイのフロート部の形状が扁平な円筒形であり、水面の形状を捉えやすいためと考えられる。次の試作ブイの開発においては、フロート部の底面を球面とする等の方法で、水面の形状がブイの姿勢に影響を与えにくいものに改良する必要がある。 ・試作ブイは従来の津波監視ブイと比較して、小型であり、今回の試験運用においても地元漁業組合の協力を得て、定置網を運営している漁業者に設置していただいた。設置費用も低く抑えられている。漁業者が有する技術の範囲で設置可能なブイであるということは、多目的観測ブイを沿岸産業関係者が維持管理するという、本研究の目的に沿っており、本研究で開発したブイを用いれば、多目的観測ブイを沿岸産業関係者でも維持管理できる可能性が高いということが確認できた。
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