本研究では、津波災害の経験に乏しい発展途上国を対象として、効果的な津波防災対策を実施する際に必要な総合的な津波防災戦略のモデルを提案するとともに、いくつかの発展途上国への導入を通して提案する戦略モデルの有効性を検証する。津波防災戦略においては、円滑な避難と、その実現に不可欠な津波警報システムの開発が中心的課題となる。低頻度大規模災害である津波に対しては、100年単位の再現周期に対して運用を継続し、いつ津波が発生しようとも確実に警報を発せられるよう、維持が容易な津波警報システムの運用のあり方を検討する必要がある。我々はそのような津波警報システムの運用のあり方として「多目的観測ブイを用いたリゾートホテル主導の津波警報システム」を提案する。
|