研究概要 |
1)熱帯・亜熱帯域を想定したregional scaleでの陸源負荷モデル開発に関して,台湾およびパプアニューギニアを対象に土壌流出モデルを開発し,現地データとの比較により,既存のモデルに比べてかなり高精度の算定結果を与えるモデルであることを示した.2)このモデルをベースに,国立環境研究所の最先端の大気-海洋-地表面過程結合気候モデルによる数十年スケールでのグローバルな気象変動予測シミュレーションによる将来的な降雨変動パターン等の変化予測データを用いて,土壌流出変化量の将来予測を行う方法について検討を行った.3)陸源負荷評価モデル開発および検証データの取得のために,フィジー・サモアにおいて流域下端部での表層土壌流出量についての長期連続計測を行った.また比較のために,沖縄石垣島・轟川流域において同様の表層土壌流出量計測を実施し,さらに今後の栄養塩流出モデル開発のために栄養塩流出量の長期連続観測を実施した.4)流域からの過去数十年間の陸源負荷の経年変化を明らかにする目的で,フィジー・サモア・フィリピン・沖縄石垣島において底質コアを採取し分析を行った.5)リーフ内環境負荷分布モデルの開発に関して,観光開発による環境負荷の増加が著しいフィリピン・プエルトガレラにおいて,物理・水質・生物過程に関する総合的な現地調査を実施した.6)環境収容力の合理的評価法確立のためのマテリアル・フロー分析ならびに社会経済構造分析のために,フィジーとフィリピン・プエルトガレラおよび沖縄・石垣島において,さまざまな社会経済資料を収集するとともに聞き取り調査を行った.7)地域コミュニティー,NGO,研究者,行政間の連携スキームのあり方についての検討するために,H19年2月にフィリピン・プエルトガレラにて,現地の様々なステークホルダーの方々が参加したワークショップを開催した.
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