研究課題/領域番号 |
18255001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 雅人 京都大学, 大学院地球環境学堂, 教授 (10179179)
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研究分担者 |
渡辺 泰徳 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20112477)
佐藤 泰哲 山形大学, 理学部, 教授 (60007177)
三田村 緒佐武 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50030458)
三村 徹郎 神戸大学, 理学部, 教授 (20174120)
田中 祐志 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (90207150)
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キーワード | フブスグル湖 / バイカル湖 / エニセイ川 / 物質動態 / 生態遷移 |
研究概要 |
平成18年8月12日から26日にかけてロシアに渡航し、フブスグル-バイカル-エニセイ流域の中流域に位置するバイカル湖、アンガラ川(リストビアンカ-イルクーツク間)、ブラーツク湖の調査を行った。バイカル湖では、その最大流入河川であるセレンガ川河口域から流出河川であるアンガラ川にかけての6点と南湖盆最深地点、アンガラ川では上流から下流にかけての3点、ブラーツク湖では最深地点を含む6点で、水深別あるいは表面水の生物・物理・化学観測を行った。 バイカル湖ではセレンガ川河口から沖域に向かって電気伝導度、主要イオン濃度、溶存有機炭素濃度が低下していて、これらを多量に含む水が河川から湖に供給されていることが分かった。アンガラ川では上流から下流に向かっての顕著な濃度変化は見られなかった。 ブラーツク湖では電気伝導度、主要イオン濃度がバイカル湖・アンガラ川での値の約1.5倍近くに上昇していた。ブラーツク湖はバイカル湖、アンガラ川(リストビアンカ-イルクーツク域)の下流にあたっており、この水系が流下する過程で溶存成分の負荷が行われていることが明らかになった。この湖では温度成層が起こっているが、底層でも溶存酸素は豊富に存在していて、例えばブラーツク湖のダム直上流地点(St.1)の底層(水深98m)では9.40mg/1の値にあった。一方、溶存リン酸濃度は表層では涸渇していたの対し(St.1の水深0mで27nmol/l)、水深ともに増加して湖底(水深98m)では775nmol/lの値にあった。沈降有機物の活発な分解が深層域でなされていることが示唆された。
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