研究課題/領域番号 |
18255001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 雅人 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (10179179)
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研究分担者 |
渡辺 泰徳 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20112477)
佐藤 泰哲 山形大学, 理学部, 教授 (60007177)
三田村 緒佐武 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50030458)
三村 徹郎 神戸大学, 理学部, 教授 (20174120)
田中 祐志 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (90207150)
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キーワード | フブスグル湖 / バイカル湖 / エニセイ川 / 物質動態 / 生態遷移 |
研究概要 |
本研究の目的は超長大水系フブスグルーバイカルーエニセイ水系における流域環境の変化による物質動態と生態の遷移を明らかにすることにある。この水系は全長4500km超に及ぶものである。したがって、短期間で全域を調査することは困難であるため、水系を4つの地域に分けて4年間をかけて調査することにしている。前年度に立案した調査計画に従って、本年度は水系全体では中・下流域にあたるエニセイ川の調査を行った。2007年8月2日から25日にかけてロシアに渡航し、エニセイ川中流域のクラスノヤルスクを起点とし、バイカル湖からの流出河川であるアンガラ川との合流点を経てイガルカに及ぶ約1750kmの流域を調査した。合計17の地点で生物・物理・化学の総合観測を行った。エニセイ川に沿った地域での最大都市であるクラスノヤルスク周辺では水質が汚濁していてバクテリア密度も高かった。アンガラ川とエニセイ川の合流点では、エニセイ川に比ベアンガラ川で水温、電気伝導度、pHが高く、両河川の水は容易に混ざらず、100km流下した地点でも両岸での水質に違いがあった。ことことが生態系、微生物群集密度にどのような違いをもたらしているのかに興味が持たれた。河川が流下するにつれ、電気伝導度と懸濁物濃度が増加し、水質の汚濁が認められた。ロシア滞在期間の後半にはバイカル湖の調査も行った。一昨年度から観測を続けていた、自記記録水温計の回収にも成功した。このことによって、バイカル湖水の長期水温変動の様子を明らかにすることができた。突発的な深層水湧昇が夏季に起こっていたことが分かった。
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