研究課題/領域番号 |
18255002
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
恒川 篤史 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (60227452)
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研究分担者 |
高槻 成紀 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (00124595)
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
伊藤 健彦 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教 (50403374)
實方 剛 鳥取大学, 農学部, 准教授 (20205991)
岡田 あゆみ 北里大学, 獣医学部, 講師 (90453513)
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キーワード | モンゴル / モウコガゼル / アジアノロバ / 衛星追跡 / 季節移動 / 絶滅危惧種 / 保全 / 環境影響評価 |
研究概要 |
2007年5-6月に、モウコガゼルおよびアジアノロバの生息地のうち、モンゴル南部のゴビ地帯を中心に、遊牧民に対して、ここ数年の野生動物生息状況や気象・植生状況に関する聞き取り調査を行った。この結果は、野生動物の生息地選択と気象・植生状況の関係の解析や、過去の気象データや植生指数マップを用いた動物の生息適地年変動の推定に利用する。 2007年8-9月に、アジアノロバの生息地のうち最も降水量が少ない地域で、生息環境や他の絶滅危惧大型野生動物の生息状況を調査した。この地域にはモウコガゼルは生息しておらず、アジアノロバとモウコガゼルの生息地選択の違いを解明するための基礎的データを得ることができた。また、この地域でアジアノロバの個体追跡をしているグループとの協力関係を築くことができ、彼らのデータと我々の追跡個体を比較することで、異なる環境での移動行動比較も可能となった。 2008年11-12月にはモウコガゼル追跡個体の補充を行った。平成18年度の繰越予算で追跡を開始したアジアノロバとモウコガゼルは捕獲地点が離れていたため、生息地選択や移動パターンを同所的に比較するために、ほぼ同じ地域で両種を捕獲することが望まれた。そこで、アジアノロバ捕獲地域付近でのモウコガゼル捕獲を計画し、実際にほぼ同じ地点での捕獲・追跡開始に成功した。同時に、遺伝分析用の試料も採集した。追跡は約3年間可能であるため、今後の両種間の比較や、気象・植生状況の年変動への対応を解析できる。 気象データ・衛星画像データの収集・解析および、モウコガゼルの遺伝生態学的分析も継続的に進めている。
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