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2007 年度 実績報告書

ケニア、ナカリにおける後期中新世類人猿の発掘:系統、適応、古環境の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18255006
研究機関京都大学

研究代表者

中務 真人  京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00227828)

研究分担者 国松 豊  京都大学, 霊長類研究所, 助教 (80243111)
仲谷 英夫  鹿児島大学, 理学部, 教授 (20180424)
酒井 哲也  島根大学, 総合理工学部, 准教授 (90303809)
澤田 順弘  島根大学, 総合理工学部, 教授 (80196328)
キーワード人類進化 / アフリカ / 化石 / ヒト上科 / 狭鼻猿 / オナガザル / 古生物 / 古環境
研究概要

人類とアフリカ類人猿の最後の共通祖先像は、研究代表者らによるナカリピテクスの発見、エチオピア、チョローラからのチョローラピテクスの発見により、やっと明らかになり始めた。2007年度とわれわれはナカリで発見された大型類人猿を新属新種ナカリピテクス・ナカヤマイとして正式に記載した。またナカリピテクスと同時代のギリシアで知られているウーラノピテクスとの系統関係を指摘し、後期中新世はじめにアフリカからユーラシアへこの系統の拡散があった可能性を唱えた。いっぽう、いっそうの霊長類資料の獲得、古環境の解明のため、8月にナカリ地域で現地調査を行った。発掘により、新たに200点あまりの化石資料が収集され、ナカリピテクスの追加標本も得られた。ナカリの霊長類相の中には、少なくとも2種類の大型類人猿、2種類の非オナガザル科小型狭鼻猿類、3種以上のオナガザル上科霊長類が含まれることが明らかになった。非オナガザル科小型狭鼻猿類についても、既知の種の中には類似したものがおらず、新属新種であると考えられる。これらの新種記載については、現在、論文をとりまとめている。オナガザル科霊長類については、マイクロコロブス(コロブス亜科)、オナガザル亜科、ビクトリアピテクス科が含まれることがわかったが、種レベルでは、現在同定を検討中である。共伴する動物相からは、オープンな環境と森林環境の両方の要素が示唆されるが、全体的に見て、湖辺林(河辺林)のような環境の可能性が高い。堆積学的検討からも、こうした推定を支持する材料が得られた。現在・ほ乳類の歯の安定同位体分析を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A new Late Miocene great ape from Kenya and its implications for the origins of African great apes and2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Kunimatsu, M. Nakatsukasa, 他
    • 雑誌名

      Proc. Nat. Acad. Sci. USA 104

      ページ: 19220-19225

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Postcranial bones of infant Nacholapithecus: ontogeny and positional behavioral adaptation.2007

    • 著者名/発表者名
      M. Nakatsukasa, Y. Kunimatsu, 他
    • 雑誌名

      Anthropol. Sci. 115

      ページ: 201-215

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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