研究課題
基盤研究(A)
近年、600万年をさかのぼる化石人類が発見されつつあるが、人類とアフリカ類人猿の最後の共通祖先像は、未知のままである。我々は2005 年、約1000 万年前の大型類人猿の下顎骨と遊離歯をケニアのナカリ地域で発見した。この大型類人猿は、それまで唯一知られていた同時代のアフリカ類人猿サンブルピテクスと顕著に異なること、サンブルピテクスに比べ特殊化の程度が弱く、現生アフリカ類人猿と共通するいくつかの特徴を示す。我々は、この化石類人猿を新属新種ナカリピテクス・ナカヤマイと命名し、ほぼ同時代のギリシア、トルコで発見されているウ-ラノピテクスの祖先種か、その近縁種であるという仮説を提唱した。ナカリピテクスは、人類・アフリカ類人猿の最後の共通祖先にきわめて密接に関連している可能性が高いばかりでなく、後期中新世ユ-ラシア類人猿の系統関係、古生物地理にも重要な示唆を与える。この研究は、ナカリにおける発掘により化石資料を増やすこと、化石産出層の年代決定、この地域の地質学的記載、地質学的、古生物学的手法による古環境復元、そしてナカリピテクスの系統的位置の決定、その生態学的特徴の分析を進めることを目的とした。
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Journal of Human Evolution 55
ページ: 581-588
Proceedings of the National Academy of Science of the USA 104
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霊長類研究 (印刷中)
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