研究課題
2004年12月26日にスマトラ沖を震源とするM9.0の巨大地震によって、インド洋沿岸に広く大津波が押し寄せ、多くの国々で甚大な被害が発生した。本研究は、インド洋大津波による被害に対して、海岸林が被害を軽減する効果があったかどうかを検証し、その結果を踏まえた海岸域の保全のあり方を提案することを目的としている。今年度は、春から夏にかけてスリランカの政情が不安定になったことと、4月に南太平洋のソロモン諸島で新たに大きな津波被害が発生したことから、6月と8月にソロモン諸島のギゾ島で調査を行った。被害にあった複数の村での調査の結果、津波被害に対する軽減要因として、地盤の高さとともに海岸林の効果を確認した。タイにおいては、昨年と同様にバンガー県カオラック周辺を調査対象地として、8月上旬に現地調査を行った。昨年に引き続いて、津波による海岸林(モクマオウ林を中心とする)の被害とその耐性、津波の引き波による浸食などの調査データをとり、解析している。スリランカの政情が秋以降に比較的安定してきたので、12月にスリランカ南部の調査対象地域で現地調査を行った。これまでの調査結果をもとに、さらにヤシ林の津波による漂流物の衝撃緩和機能を確認し、マングローブ林およびモクマオウ林による被害軽減効果を検証した。以上の研究成果は、日本海岸林学会大会において研究発表を行うとともに、学会誌に2報投稿し、印刷公表された。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
UNU Global Seminar 6th Tohoku Session Report
ページ: 55-63
Journal of the Japanese Society of Coastal Forest Vol.7No.1
ページ: 1-6
Journal of the Japanese Society of coastal Forest Vol.7No.1
ページ: 37-42