2004年12月26日にスマトラ沖を震源とするM9.0の巨大地震によって、インド洋沿岸に広く大津波が押し寄せ、多くの国々で甚大な被害が発生した。本研究は、インド洋大津波による被害に対して、海岸林が被害を軽減する効果があったかどうかを検証し、その結果を踏まえた海岸域の保全のあり方を提案することを目的としている。 今年度は最終年度であることから、タイにおいては、これまで調査を実施してきたバンガー県カオラック周辺で8月上旬に津波による海岸林(モクマオウ林を中心とする)の被害とその耐性、津波の引き波による浸食などの調査データをとり、解析した。 スリランカの政情がまだ不安定ではあったが、9月下旬にスリランカ南部の調査対象地域で現地調査を行った。これまでの調査結果をもとに、マングローブ林およびモクマオウ林による被害軽減効果を検証する補足調査を行った。 これまでの研究成果を日本海岸林学会岩手大会において研究発表および公開シンポジウムで公表するとともに、学会誌に研究論文を4報投稿し、印刷公表された。 さらに11月末に津波災害の研究者を招いた研究成果報告会を東京で開催し、我々の研究成果を公表して議論し、研究のまとめに反映させた。 また、広く一般市民の方々に研究成果を公開するために、津波災害に関心の高い山形県庄内地方で、研究報告会を開催し、今回の研究成果をわかりやすく紹介した。 最後に、研究成果をまとめて報告書を作成・印刷した。
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