研究概要 |
(1)本研究計画の最終年度の集大成として,2009年7月7日~7月9日に,京都テルサにて,国際Workshopを開催し,本研究分野に深く関連する内外の著名な数理研究者6名を招待し,一般講演,ポスター講演と合わせて,この分野の最新研究について議論を深めた.この結果は,IOPが発行するJournal of Physics : Conference Series (JPCS), vol.201(2010)に掲載された. (2)一般化Shannon加法性から,連続系のTsallisエントロピー・Tsallis相対エントロピーを導かれることを示した. (3)二経数拡張された対数尤度関数と対応するBregmanダイバージェンスとの間に成立する関係式を導出し,それらが良く知られた対数尤度とKLダイバージェンスとの関係の一般化であることを示した. (4)数値解析および時間依存型の変換に基づく議論を通じて,κエントロピーに関する非線型拡散方程式の漸近解がκ-Gauss型分布であることを明らかにした. (5)q-Gauss分布族の多様体についての情報幾何構造と一般化統計物理との対応に基づき,多孔質媒質中の流体輸送方程式(PME)の解の性質を明らかにした. (6)一般化されたskew informationの満たす不確定性関係を表す不等式について,Luoによって示されたWigner-Yanase skew informationに関係した不確定性関係を1パラメータ拡張し,Liらの論文では不成功に終わっていた不確定性関係を修正することができた. (7)q-Fisher情報量の定義として,q-期待値と正規化されたq-期待値を用いた2通りの場合について,ある特定のq-分散のときのq-Gaussian分布のときにq-Fisher情報量を最小化することを証明した. (8)二経数拡張された相対エントロピーの一意性定理の証明できた.
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