研究概要 |
GPUがこれまでに高速化対象としてきた描画処理(レンダリング)を始め,これまで対象としていなかった非描画処理を新しい用途として開拓していき,GPUによる非描画処理のためのプログラミング手法を確立を目指して研究している.これらを実現するため,GPUを用いた高性能計算に関する研究,および医用画像処理の高性能計算に関する研究に取り組んだ. 主に非描画処理に関してGPU上で効率のよい実装を開発するための支援として,GPUプログラムの性能を改善するための命令移動手法およびその手法を自動的に適用するためのツールを開発した.また,非描画処理をGPU上で実現するとき,どのような実装方針がよい性能を引き出せるのかということを明らかにするために,計算量が多く高性計算機の性能指標としてよく用いられているLU分解を題材として,いくつかの方針のもとに実装を開発し,それらの性能比較を試みた. GPGPU実装を対象として,そのアルゴリズム開発において有用となる性能モデルを検討した.検討した性能モデルは,GPGPU実装における一連の処理がストリームプログラミングモデルに基づくことに着目し,いかに多くのデータを主記憶からVRAMまでの各データパスに流せるかということを転送バンド幅および転送遅延の単純な組でモデル化した. 計算量の多い医用画像処理として,時系列3次元データセットを可視化するための効率の,ハードディスクからメモリ,メモリからGPUへのデータを転送する場合に効果的な圧縮法を開発した.外科手術を術中支援するための2次元/3次元剛体位置合わせのGPUによる高速化に取り組み,GPUの有効性を示した.
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