研究概要 |
コンパクトなハードウェアで高精度数値演算を行うことのできるディジットシリアル演算器を用いた大規模数値計算向けリコンフィギャラブルプロセッサを研究開発目標として,本年度は次の研究を実施した. (1) 演算器間ネットワークの検討,および,プロトタイプの設計試作として次の事を行った.多数の演算器が動作可能なポート数を提供する小面積ネットワークとしてBENES網を採用し,これに数学関数サポートの追加した.その後,これを用いたプロトタイプ・リコンフィギャラブルプロセッサとして48個の8倍精度浮動小数点演算器を搭載するプロタイププロセッサをローム社0.18um CMOSテクノロジーを用いて設計試作した. (2) (1)で設計試作を行ったプロセッサをLSIテスタ上でテストし,設計したLSIが設計通り動作することを確認した. (3) 設計したプロセッサ用の数値計算アプリケーションを開発し,演算性能をIntel Xeon CPU X3350プロセッサにおいて多倍長精度演算ライブラリmpfrを用いた場合と比較した.その結果,実行時間をFFTでは7.41%,ループ積分では9.20%,CG法では21.51%に大幅に短縮できることが明らかになった. (4) リコンフィギャラブルプロセッサ用コンパイラの研究として,設計したリコンフィギャラブルプロセッサの内部演算器遅延を最適化する演算配置アルゴリズムについて検討し,これを行うコンパイラの評価を行った.
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