研究概要 |
平成20年度は,シミュレーションソフトウェアの改良および性能評価を行うとともに,経済原理を導入したスケジューリングモデルを構築し,事前予約スケジューリングへの適用を検討した. シミュレーションソフトウェアの改良および性能評価では,シミュレーション環境上に,計算機資源の予約管理モジュール,ネットワーク資源の予約管理モジュール,グリッド上の情報サービスモジュール,資源の利用計画生成モジュールを実装し,またこれらのモジュール間のAPIも定義した.これにより,より実環境に近い環境での事前予約スケジューリング技術の性能評価を行うことを可能とした.また,資源探索アルゴリズムの高速化を行い,資源探索に要するオーバーヘッドを削減した.性能評価では,対象とするグリッド環境として人工的に作成したモデルおよび日本国内の学術ネットワークをモデル化したものを作成し,事前予約スケジューリング技術の性能評価に用いた.また,世界各国の計算機センターやグリッド環境上のジョブ実行履歴を解析することにより,本研究が対象とする予約ジョブのモデル化を行い,性能評価に用いた. 経済原理を導入したスケジューリングモデル構築では,平成19年度までに開発した事前予約スケジューリング技術に経済原理を導入するモデルを検討した.具体的には,人工市場取引において研究されている資源の売買モデルに関する調査を行い,本研究で開発した事前予約スケジューリング技術への適用方法を検討するとともに,プロトタイプソフトウェアの開発を行った.
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