研究課題
本研究は生物的メタファーに基づく分散システムの新しい自律的管理・耐故障手法を提案することが目的であり、本年度の成果は次の通り。1)分散システム内に心筋などにみられる振動現象をコンピュータ間につくり、その振動を利用してコンピュータ同士の排他制御や同期制御を行う方法を提案するとともに、分散システム上の設計・実装を開始した。具体的にはUDPマルチキャスト、周期振動を作り出すメッセージを送り、各コンピュータが所定の動作を行うことで振動させ、排他制御などの基本的分散アルゴリズムにより有効性を検証した。2)もう一つは生物の機能分化であるが、これは各ソフトウェアに割り当てるスレッドプールのスレッド数を変えることで機能分化を再現した。これはソフトウェアに対して要求される機能を、その機能の種類に応じて割り当てスレッド数を変える方法である。これによりリソース配分は、数多く利用される機能ほど多くなり、逆に利用頻度が少ない機能はリソース配分が減少、機能分化に相当する現象を分散システム上で再現する。本年度はその機能分化の実現可能性を分散システムで検証した。また、研究計画にもとづいて、提案システムの動作状況をモニタリングするシステムも構築し、次年度以降の性能評価の準備を行った。
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電子情報通信学会論文誌 Vol.J91-D,No.2
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IEICE Transactions on Communications Vol.E90-A,No.11
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