研究課題
この研究では新しい超音波位置計測の技術開発ならびに応用開発をめざしている。昨年度は、本研究の基本原理である位相一致法の特性を数学的に解析できた。位相一致法は、従来数センチメートルの精度が限界と考えられていた空間超音波を使った位置測定を、ミリメートル以下の精度で実施できる技術である。なぜ100倍近い精度向上が可能であったか、実験で確認しているこの結果を数学理論で裏づけておくことはぜひとも必要であった。その結果は論文「位相一致法による正確な超音波位置認識手法とその特性」で近く公表した。近接する周波数搬送波に重畳した位相ノイズは、受信信号処理過程で非常に効率よく除去されることが数学的にも確認でき、この手法の優位性は理論からも支持されるものであることがわかった。2007年度の研究ステップは、位相一致方法に基づく計測を安定に実行できるハードウェアを製作すること、それを小型化し、モバイル機器に搭載できるようにすること、電波によるデータ通信と組み合わせて移動物体の位置追跡を行い、本計測技術の有効性をフィールドで実証することであった。また移動物体計測で不可避なドップラー効果のキャンセル実験も行い上記を実施し、研究会報告にまとめた。
すべて 2008 2007
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電子情報通信学会論文誌 A Vol. J91-A No. 4
ページ: 435-447
平成19年度電子情報通信学会, 東京支部学生会研究発表会(CD-ROM)