研究概要 |
本研究では,利用者が自分の個人情報をサービスプロバイダに提供する際に,利用者が自らの判断に基づいて開示方式の選択を行なえるようにするため,利用者の判断材料となる情報開示リスクを提示し,またリスクを低減する開示方式を生成する枠組みの研究開発を行なう.具体的には,(1)個人情報開示のためのリスク評価モデル,(2)リスクを考慮した個人情報保護共有方式,(3)個人情報保護共有のためのXMLアクセス制御,(4)リスク管理型個人情報保護共有フレームワークの応用の4つのテーマに分けて研究を行なった. (1) 個人情報開示のためのリスク評価モデル プライバシー属性オントロジーの開発し,概念類似度および文字列類似度を用いて,類似概念からリスクを推定する方式を開発した. (2)リスクを考慮した個人情報保護共有方式 与えられたリスク許容値や類似度最小値などの制約のもとで,オントロジーと入力の属性集合のマッチングを行なうアルゴリズムを開発し,実装を行った. (3)個人情報保護共有のためのXMLアクセス制御. ロール階層を考慮したアクセス制御ルールを圧縮および効率化する機能の開発を行った. (4)リスク管理型個人情報保護共有フレームワークの応用 ソーシャルネットワークでの多様なプライバシー属性に対し,本システムを適用する実験を行ない,利用者がリスクを考慮しながら開示属性を選択する実験を行った.
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