IBM&R (Image Based Modeling & Rendering)においては、実画像を用いてコンピュータモデルを作成するため、フォトリアリスティックなテクスチャ付きモデルの生成が期待できる。しかしならが、1センチメートル以下の非常に小型なオブジェクトを高解像度に撮影する場合、十分な被写界深度を得ることが出来ないなどの理由から、小型なオブジェクトに対してIBM&Rの手法を応用することは困難であった。そこで「比較的小型なオブジェクトの高精細でフォトリアリスティックなテクスチャを有する3次元コンピュータモデルを短時間で作成可能とする」ために「フォトリアリスティックなテクスチャ生成が可能な超広視野共焦点顕微鏡」の研究・開発を行う。 平成18年度は、1)非共焦点光学系の設計、2)共焦点光学系の設計、の2点に重点を置いて研究・開発を進めた。 1)非共焦点光学系の設計 本研究が試作する顕微鏡は非共焦点光学系と共焦点光学系の2光路を有する。本研究が提案する手法では、共焦点光学系によって物体の3次元の形状情報を取得し、非共焦点光学系にて物体の色情報を再構築する。平成18年度前半は、非共焦点光学系の設計、および光学実験を中心に研究・開発を進めた。 2)共焦点光学系の設計 平成18年度後半は、設計した非共焦点光学系の視野角に対応した共焦点顕微鏡の設計を行った。共焦点顕微鏡は、前後の焦点にピンホール体研究ではスリットを利用)を配置することでピントの合ったエリアの光のみを観測する。本試作装置では視野角12mmの共焦点光学系を実現するにあたり、高NAのレンズ選定と効率的な照明の生成法、撮像のための光学実験等を行った。 本試作装置は顕微鏡設計に関するノウハウの蓄積によって成り立つものであるため、初年度は研究内容の発表を控え、特許申請の準備を進めた。
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