研究課題
本年度は以下の項目について研究を行った。[1]要素技術の高度化循環可動床方式の技術実証プロトタイプは前後左右に動ける床と、歩行者の足と可動床の位置を計測するセンサー、そして各稼動床に指令を与えるための無線通信装置によって構成されている。このようなシステムを十分に機能させるためには、可動床の全方向移動機構、可動床の無線制御、歩行者と可動床のワイヤレス位置検出、といった要素技術に高い性能と信頼性が要求される。これらを実用レベルにブラシアップする必要がある。そのため、制御装置に専用のコントローラ基板を開発し、内界センサーによる位置検出精度の評価を行った。[2]可動床の数の決定、および循環アルゴリズムの最適化可動床の数を増やすのが望ましいが、数が増えると無線通信に負担がかかるという問題が発生する。いくつまで増やすのが現実的かという問題に対して、実験的を通じて解答を探る。そのため、待ち受け用の可動床数を、1個の場合と2個の場合と3個の場合について実験を行う。したがって、最大で6個の可動床を用意する。床の数が増えた場合は、アルゴリズムが複雑化するため、床数の増加によって最適な循環アルゴリズムがどう変化するかを、シミュレーションを通じて検討した。[3]歩行者の内部状態の計測歩行感覚呈示装置のユーザが、体験中にどのような状態にあるかを定量的に評価するために、生理指標を導入した。従来、足の表面筋電位を用いていたが、本研究では新たにデジタル脳波計を導入し、より高度な評価をめざす。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 Vol.11,No.2
ページ: 237-244