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2008 年度 実績報告書

影を用いた場の創出的メディア表現とコミュニティ・コミュニケーションへの活用

研究課題

研究課題/領域番号 18300044
研究機関早稲田大学

研究代表者

三輪 敬之  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10103615)

キーワードヒューマンインターフェイス / コミュニケーション / 影 / 身体性 / 場 / 出会い
研究概要

本年度は交付申請書に記載した計画に従い研究を実施し,以下の成果を得た.(1)昨年度までに開発した影システムをワークショップなどの場づくりの現場で運用する際に必要となる要件(現場の状況に応じたシステム構成など)や問題点等について調査し,これをもとに,様々なフィールドへの対応が可能な影システムの開発を行った.とくに,サーモカメラと距離画像カメラを組み合わせた影生成アルゴリズムを開発し,温度環境の変動にシステムを柔軟に対応させることを実現した.そして本システムを用いて,屋外の2箇所間をつなぐ運用試験を行い,異なる集団間において出会いの場の創出を支援できる見通しを得た.(2)身体と影との存在的な非分離性に起因して,影が場の創出メディアとして働くと考え,歩行速度に比例して傾く自身の影像を身体から分離せずに足元から提示する場合(以下,身影)と,足元からではなくスクリーン中に全身の影像を提示する場合(以下,シルエット)を比較する実験を行った.その結果,影に対して,身体が反応するまでの時間が,身影の方がシルエットに比べ100[ms]程度早いことが見出され,このことから身体には影に対して無意識的に反応する働きと,意識的に反応する働きの二種類の異なる働きが存在すること,さらには前者が場の創出に関わる可能性があることを,時間遅れ影による別の実験結果などもあわせて考察した.(3)研究期間(3年間)に得られた成果をもとに,影は身体の存在的表現と機能的表現の二つの異なる働きを担っており,これらの循環的なダイナミクスによって共存在的な表現の場が創出されることについて考察し,出会いの場の統合原理やコミュニティ支援に向けた共存在の場(家)の設計手法などを総合的に検討した.また,出会いの場の創出には,表現のズレにより生じると推察される気づきが重要な役割を担っており,影身はその有効な支援メディアになることもあわせて示した.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 影に着目した仮想道具と身体との一体感創出に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴文, 上杉繁, 三輪敬之
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会論文誌 10-4

      ページ: 103-111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Public Viewing with Shadows : Design of theater-type space where remote actors and audiences can coexist using the shadow as their own agents2008

    • 著者名/発表者名
      Koji lida, Shiroh ltai, Takabumi Watan abe, Yoshiyuki Miwa
    • 雑誌名

      Proceedings of The 17th IEEE International Symposium on Robot and Human In teractive Commnunication (CD-ROM)

      ページ: 793-798

    • 査読あり
  • [学会発表] コミュニカビリティと共創表現-影の存在的非分離性に着目したイメージ創出支援手法の検討-2008

    • 著者名/発表者名
      三輪敬之, 板井志郎, 渡辺貴文, 西洋子
    • 学会等名
      計測自動制御学会システムインテグレーション部門学術講演会(S12008)
    • 発表場所
      岐阜県岐阜市
    • 年月日
      2008-12-05
  • [学会発表] 出会いの場におけるコミュニカビリティ支援一身体表現の機能的関係性と存在的関係性に関する試論2008

    • 著者名/発表者名
      三輪敬之, 西洋子
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2008
    • 発表場所
      大阪府吹田市
    • 年月日
      2008-09-04
  • [学会発表] Shadow communication system -つながり感に着目した仮想遊具の影による3次元的運動表現2008

    • 著者名/発表者名
      河合聡宏, 桜井大地, 板井志郎, 西洋子, 三輪敬之
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2008
    • 発表場所
      大阪府吹田市
    • 年月日
      2008-09-02
  • [学会発表] Shadow Communication System 一影による仮想人物の表現とそのドラマ的コミュニケーション空間への活用2008

    • 著者名/発表者名
      飯田公司, 田部井保朋, 西島宏輔, 三輪敬之
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2008
    • 発表場所
      大阪府吹田市
    • 年月日
      2008-09-02
  • [学会発表] つながり感を強めあう遠隔玉転がしシステムの開発2008

    • 著者名/発表者名
      河合聡宏, 芳賀公一郎, 板井志郎, 三輪敬之
    • 学会等名
      日本機械学会2008年度年次大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2008-08-06
  • [学会発表] Shadow communication system 一存在感強化のためのグリッドを用いた影の表現手法に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      西島宏輔, 飯田公司, 板井志郎, 三輪敬之
    • 学会等名
      日本機械学会2008年度年次大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2008-08-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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