研究概要 |
本研究課題では,会議のように複数参加者による合意形成型インタラクションに着目し,特に三人以上の参加者からなる多人数インタラクションにおいて交換される言語的・非言語的情報の統合に基づく巨視的会話構造モデルおよびその抽出手法の開発を目的とする.平成18年度は,基礎データとなる多人数会話インタラクションコーパス作成を中心に研究活動を進めた.H19年度繰越し期間には,産業技術総合研究所において開発中の小型会議収録装置MARCを購入し,それを用いて合意形成デザイン会話を対象とした精密な多人数会話インタラクションコーパスの作成を進めた. 会話進行制御構造については,多人数会話インタラクションコーパス中の映像データから顔抽出,動作抽出を行い,その結果得られた画像特徴に対して機械学習手法を適用することにより,会話参加者の顔の向き,うなずきなど多人数会話インタラクションの進行制御に効果を持つ非言語行動を抽出可能という結果を得た. 参加者間関係構造については,多人数会話インタラクションコーパスに含まれるあいづちの同定,デザイン会話のフロア構造の同定に基づいて,あいづちの高次機能の分析を行い,多人数デザイン会話インタラクションにおいてあいづちは共同行為への積極的な参加意欲を表示する機能を担い,共同行為の推進および参加者間の関係強化に貢献していることを明らかにした. これらの研究成果について国内学会で発表を行うとともに,Embodied Language Processingの国際会議(2007年6月,チェコスロバキア)において論文発表を行った.
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