研究課題
19年度では、主に人間の思考(暗算活動や推論)に関する改良追実験の実施とfMRIによるデータ採取、脳データの時空間に着目した多面的特異性指向マイニング技法の研究を行った。改良型の実験設計について、桁数や繰り上がりの有無といった難易度の視点や、数の記憶や連続加算処理に特化したタスクを導入し、より深く計算プロセスを探求できるように設計を行った。この新設計による実験をもとに、128チャンネル脳波計測と、3テスラ高磁場fMRI装置による高精度なデータ採取を実施した。また、脳データの時空間に着目した多面的特異性指向マイニング技法の研究では、ERPやスペクトラムデータ、3Dトポグラフなど複数の視点からデータを捉える研究や、データの中に潜む、時間的・空間的特異性を抽出する技法の研究を行った。さらに、fMRIデータを用いた計算プロセス分析を行い、被加算数、+、加算数、=、和の5つのステージごとに賦活部位を導出することや、採取されたfMRIデータに対する特異性指向マイニング技法の適用に成功している。現在、脳波とfMRIの両面から、難易度の違いや計算活動時のステージの違いがどのように影響を与えているのか、時空間的に特異な変化を示すデータ箇所はどこかという分析を進めており、20年度にかけて分析結果の収集と結果の解釈についてさらに深く研究を進める予定である。データ管理、分析のためのグリッド環境構築については、基礎的研究と理論ベースの研究を実施し、環境構築のための前準備を整えた。このテーマについても継続して取り組み、環境構築と実践的研究を推進する。
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