研究課題
表情表出の際の顔面表面の動きに個人差があることに着目し、静止画像でなく動画像を処理対象として、顔面表面に含まれる動きの個人差を高精度で検出し個人認証に応用することで、なりすましを防止できるロバストな個人認証アルゴリズムの開発を目的としている。2006年度は、まず動画像中に含まれる個人情報のパラメータ抽出を試みた。笑顔の表情表出ビデオシーケンスを対象として、3次元フーリエ変換を施し、動画中に含まれる時空間周波数特徴分析を試みた。3次元周波数のどの周波数成分に個人特徴情報が含まれるかを、多次元尺度構成法によって定量化し、次元圧縮を試みた。従来の多くのシステムが画面中の特徴点抽出を必要としているのに対して、本システムでは周波数成分の絶対値に着目しているため、被写体のゆっくりとした動きや位置の誤差に左右されない安定でロバストなシステム構成が可能となった。また、同時に顔の3次元構造を利用した個人認証システム構成を試みた。このシステムではレンジスキャニングの装置に顔を挿入する必要があり、特徴量抽出のための被験者への負担は大きいが、認証率99%以上を実現し、高い性能での個人認証が実現可能であることを確認した。さらに表情合成技術を応用することによって、発話者の顔の向きや照明環境に依存しない個人認証システム実現を試みた。個人特徴を反映したキャラクタの表情合成法の確立によって、合成による分析手法が実現可能となる。今後は、照明環境の推定方式の検討、個人情報をいかに表情変化として反映させるかが検討課題である。
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すべて 雑誌論文 (4件)
電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 PRMU2006 5.232
ページ: 61-66
日本顔学会 Vol.6,No.1
ページ: 61-69
「画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2006)」ダイジェスト冊子 ISI-40
ページ: 388
電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.106,No.73
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