研究課題
本年度は9月に公立はこだて未来大学において第1回研究集会(担当三木)、3月に北海学園大学において第2回研究集会(担当元木)を開催、8月には国際学会Interspeech(Amsterdam)に三木、元木両研究分担者が参加、研究発表した。また9月〜11月を中心にATR研究所におけるMRIデータの収集実験を行った。舌変形計算モデルについては筋肉収縮時の動特性の計算方式を検討した結果、Zahlakらのcontinuum mechanicalmodelによる方式を基本とすることとした。なおこれまで非圧縮性制約の計算について非圧縮性パラメータの取り扱いの恣意性と計算負荷が問題となっていたが、新しい計算方式が提案されその有効性が確認された。声道の音響シミュレーションの検討では、声道内音場計算のHelmholtz方程式の数値計算の効率的手法が検討され、適当な次数のChebychev Collocation方が有効であることがわかった。また、実測声道MRIデータからの出力音声計算としてFEMの時間領域での計算を用い鼻腔結合の程度による音響効果と知覚的効果を検討した妥当な結果が得られた。MRIによる発音動態の検討では、舌内部のおとがい舌筋の繊維の分布をMRI画像により検討した結果、従来一般に仮定されているようにおとがい部から単純に一様に放射状に分布しているとは言えないことおよび、舌表面組織の弾性の程度の場所による違いの可能性が見出され、舌変形への影響が指摘された。またこれまでのtagging-MRIによる母音/i/の舌変形の観測を継続し、舌の正中溝の重要さの可能性を考慮して正中以外の多断面を含めた撮影をおこない、正中溝付近では複雑な伸長・短縮や左右差があり、組織の内部変形の検討の重要さが指摘された。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)
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