研究概要 |
平成18年度では、ユーザの要求への対応、配送・集荷などの実業務を調べ、提案システムの全体設計を行った。HIMS(階層的多構造計算モデル)では、配車配送計画問題を複数の階層に分割し取り扱い階層毎に解を求めてそれらを統合しながら全体の配車配送計画を最適化してゆく数理モデルである。HIMSを配送・集荷問題に対応させるため、問題の再定義および各階層の再定式化などを行っている。またユーザからの要求、それに対応するための専門家の知識の導入にはファジィ理論を用い、さらに実用的な計算時間中で(準)最適解を求めるには、遺伝的アルゴリズムおよびグローバル探索アルゴリズムを組み合わせ、ファジィ推論によって効率的な探索を行う手法を研究した。これと同時にマルチ・エージェントの要素を導入し、複数台のパソコン間での並列処理に対応させ、計算知能に基づいてさらに高品質な解の探索の試みを行っている。その研究成果として、IEEE International Conference on Computers, Communications and Control (ICCCC 2006,June, Oradea, Romania)国際会議にて全体講演をしており、Joint 3rd International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems and 7th International Symposium on Advanced Intelligent Systems (SCIS&ISIS2006,Sept.,Tokyo, Japan)、The 2nd International Symposium on Computational Intelligence and Industrial Applications (ISCIIA2006,Nov.,Guangzhou, China)国際会議にて論文を発表し、第27回ファジィ・ワークショップおよび第15回北信越支部シンポジウム(日本知能情報ファジィ学会)で研究発表をしている。また、International Symposium on Fuzzy and Rough Sets (ISFUROS2006,Santa Clara, Cuba)国際会議でも、全体講演を行っている。 次年度に、実現場において配送・集荷作業に従事する専門家との連携をとりつつ、提案システムの評価を行い、HIMSの各モジュール部分を複数のデータによりテストを行い、これによって、個々のモジュールおよびシステム全体の評価・改良を行うための準備も行っている。
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