研究課題/領域番号 |
18300085
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
中泉 拓也 関東学院大学, 経済学部, 助教授 (00350546)
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研究分担者 |
渡邉 光一 関東学院大学, 経済学部, 教授 (30329205)
岡嶋 裕史 関東学院大学, 経済学部, 助教授 (10350547)
高坂 健次 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
林 紘一郎 情報セキュリティ大学院大学, 情報セキュリティ研究科, 教授 (70296771)
藤原 正寛 東京大学, 経済学研究科, 教授 (40114988)
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キーワード | 会話型知識 / 著作権 / アンチコモンズ / 生活者情報 / Semantic Web |
研究概要 |
Wiki、Brog、BBSに代表される会話型知識の場合は「コンテンツの著作権(者)が確定しない事態」を惹起されるため、適切な著作権契約や情報管理ルールが欠如すると、「コンテンツの著作権(者)に対する十分なインセンティブの欠如や、権利関係者が混在し複雑化することで生じるコモンズ・アンチコモンズの双方の悲劇」が発生し、上記の営みが阻害されかねない。しかし、その問題を解決する為にトレーサビリティを追求しすぎると、プライバシーの侵害につながる懸念もあり、曖昧さのメリットを損ねる結果も考慮しなければならない。 こういった問題に関する基礎データを得るため、「コンテンツの著作権(者)が確定しない事態」という問題がより先鋭に出現する領域として、生活者情報(マーケティングにも活用可能)に特化した知識コミュニティーをWiki、BBS等で複数立ち上げ、著作権契約モデルを取り入れた実証実験サイトを構築した。それによる知見は以下の通り。 1.1.会話そのものの報酬性 参加者には義務として200字以上で依頼したが、はるかに字数多く、非常に濃い議論が展開された。ここでは、会話そのものの報酬性の効果が大きいと思われる。 1.2.会話のための知識・コンピテンシの問題 有意義な議論のための経験知識と体系的編集のためのメタ知識が両立しないという議論・編集トレードオフが観察された。このような参加者のコンピテンシタイプにより会話型知識の形成ダイナミズムが異なることから、来年度では多様なコンピテンシをコラボレーションさせることで、議論・編集トレードオフを解消し、豊かな議論に体系的な構造を与え、未踏の知識の開発可能性を担保したい。
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