研究概要 |
本研究の目的は、脳機能発達に関する基礎的データをもとに,脳機能に障害をもつ可能性のある早産児に対し、後の脳機能の発達を予測する発達健診プログラムのセットを作成することである。現在までに本申請グループは、乳児の顔認知・形状知覚・運動知覚・奥行き知覚・色知覚、というさまざまな領域にわたる、生後2ヶ月〜8ヶ月の発達過程を解明し,大脳皮質の機能的発達を予測する知覚認知検査セットのプロトタイプを作成した。本年度は、検査の精度を上げるため、引き続き、中央大学において検査項目のチェック作業および脳活動測定実験を行なった。運動視実験の立案とデータ分析は連携研究者の金沢准教授が行ない、脳活動測定実験は京都大学霊長類研究所および連携研究者の友永准教授の協力を受けて行ない、脳活動のデータ分析は連携研究者の緑川准教授が行なった。さらに、本年度は、知覚認知検査の対象を幼児・子供まで拡大させることを検討した。これまでの研究成果をもとに作成した知覚認知検査のプロトタイプを用い、5〜11歳の脳機能に障害をもつ可能性のある幼児・子供と、同年齢の健常児を対象として、実際に検査を行なった。脳機能に障害をもつ可能性のある幼児・子供の検査においては、外部施設の協力を得た。研究成果はChild DevelopmentやJournal of Experimental Psychology: Human Perception and Performanceなどの学術雑誌に採択され、また、VSSやPsychonomic Society49th Annual Meetingといった海外学会を含むいくつかの学会で発表された。
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