研究分担者 |
越智 義道 大分大学, 工学部, 教授 (60185618)
若木 宏文 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90210856)
柳原 宏和 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70342615)
和泉 志津恵 大分大学, 工学部, 准教授 (70344413)
濱崎 俊光 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40379243)
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研究概要 |
研究代表者の大瀧と研究協力者である大谷らは,平成19年度の研究において,GeneChipマイクロアレイデータに対する新たな数理モデル化を行い,非特異的発現やクロスハイブリダイゼイションを含めた新たな遺伝子発現の定量方式を行った.また,神経芽腫瘍の実データを用いて予後関連の選出を行った.これらの研究成果に一部は論文として公表した.研究分担者の越智は,統計解析の基盤となる計算技術・計算環境に関わる検討と検証を中心に研究を行った.計算技術に関しては,医学生物学データにおける欠測事象,不完全観測に関わる推測の基礎としてのEMアルゴリズムについて検討を行った.和泉は,ケースコントロール法に基づくリスク因子評価法に関する論文を発表した.若木は,特性関数がガンマ関数の比として与えられる統計量の分布の,大標本・高次元の枠組みでの漸近展開のシャープな誤差限界公式が得られている。次元が大きくない場合のカイ二乗タイプの漸近展開に対する同様な誤差限界公式の導出のための,ある種の補題を得た.濱崎は,原点のシフトを伴う変換(シフト変換)のパラメータの推定方注に関する研究を中心に行った.シフト変換への通常の最尤法の適用における尤度の非有界の問題に対処するための方法として,「級わけ尤度に基づく接近」と「間隔積の最大化に基づく方法」をとりあげEMアルゴリズムを利用した推定アルゴリズムを提案した.そして,これらの方法の性能をシミュレーションや現実のデータを通して評価した.柳原は,潜在的な因果関係を推論するための統計モデルの一つである構造方程式モデルの選択問題に関する情報量規準に関する研究を行っている.現在までに,真のモデルがどのようなものであってもリスクのより良い推定量になっているような新しい規準量を提案した. なお,平成19年度において本研究班は,2008年2月8日(金)-9日(土)に広島県廿日市市宮島口でのシンポジューム「バイオインフォマティックスおよび経時観察データの解析」を主催した.
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