研究概要 |
主たる成果としては、非劣性,同等性,優越性検証のための多重決定方式による統合的接近法(広津,日本統計学会誌36-1)、多変最Tukey-Kramer型多重比較法とその保守性(瀬尾他,日本統計学会誌36-1)、臨床情報とOMICS情報のバイオインフォマティクス的アプローチ(牛嶋他,生体医工学44)等がある。その他、研究代表者・分担者・協力者は実験計画法国際会議(天津,中国)、第23回国際計量生物学会(McGill, Canada)、第17回計算機統計学会(Rome, Italy)、第5回統計関連学会連合大会(仙台)等で積極的に研究発表・討論を行い、研究を促進させた。また、2006年7月にDr. F. Bretzを招聘して開催されたAdaptive Design(適応的計画)に関する特別講演は、最近、臨床試験において急速に応用が進展しているトピックスであったため、大学、国立および民間の研究所から多数の研究者が参加し、熱心な討論が行われた。 2007年2月には、研究集会「研究開発における多重決定方式」を主催し、17件の発表が行われた。取り上げられたトピックスは、国際共同臨床試験,非劣性試験,適応的計画,逐次計画,正規性検定等多岐にわたり、参加者は65名に及んだ。研究会は二日間午前午後を一杯に使って行われ、各演題について熱心な討論が行われた。本研究は、本年が4年間の初年度であるが、この研究集会は今後の研究の進め方の方針を得るのに大変有益であった。 以上のように、多重決定方式の理論と応用に関し一定の成果を挙げると共に、第2年度以降の研究方向を適切に設定することが出来た。
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