研究課題
WPCR反応や他のDNAヘアピン形成を利用する自律分子計算機の動作について、統計熱力学モデルにより正確な予測と制御が可能であることを実験により実証した。これまでのモデルを拡張し、スペーサ長がFRET効率におよぼす影響も考慮した新しい理論解析にもとづいて、反応系のデザインを改善した。この結果を国際会議「DNA12」で発表し、LNCS誌に採録された。さらに、DNAの構造変化を用いる反応系の定量測定を行う際に、標準的に用いられるFRETを利用した測定で起こる一般的な問題を解決するため、コンタクト・クエンチング現象を用いた新規な測定法を開発した。現在、これらの結果について投稿準備中である。本研究計画で提案したDisplacement WPCR (DWPCR)法による高効率な演算の実現可能性および効率を、電気泳動による解析と蛍光観測を組み合わせて検証した。1回、そして複数回の基本動作が実行可能であることを実証した。一部の結果を「DNA12」で発表し、LNCS誌に採録された。DNAのハイブリダイゼーション時のエラーに関する理論モデルを拡張し、ウェブ用ソフトウェア「NucleicPark」のアブレット版を現在稼動させている。このシステムは、タグ-アンチタグ系やマイクロアレイを含むハイブリダイゼーション反応系についての詳細な解析を提供する。チップ上のWPCR反応やDWPCR法の応用について解析し、IEEE Transactions on Nanobioscience誌のspecial issueに採録された。WPCRを含むDNA計算の演算結果を自動的に読み出すためのリアルタイムPCRを応用した新規手法を、Ibrahim氏(マレーシア工科大)と共同して開発した。この結果を「DNA12」で発表し、LNCS誌に採録された。さらに進展させた結果がNatural Computing誌に招待論文として採録された。
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すべて 雑誌論文 (5件)
IEEE Transactions in NanoBioscience (Special Issue on Computational NanoBioscience) 6-1
ページ: 18-27
Natural Computing (Special Issue devoted to the 12^<th> Annual Meeting on DNA based Computers) (In press)(近刊)
DNA Computing, 12^<th> Int'l Workshop on DNA-Based Computers, DNA12, Springer Lecture Notes in Computer Science (LNCS) 4287
ページ: 393-403
ページ: 428-438
ページ: 350-359