研究課題
今年度は、タンパク質の試験管内遺伝的プログラミングによる進化を実行する「進化型WPCR(EWPCR)反応」を確立するために不可欠である、「鎖置換駆動WPCR(DWPCR)反応」に用いる組換えDNA鎖のプールを生成する操作である、相補配列を利用した特定位置でDWPCR用DNA鎖を切断・連結する反応が、正しく実行できることを実験で実証した。さらに、実際のタンパク質進化に用いる長い遺伝子配列を持ったDNA鎖でDWPCR反応を行う上で、上述の切断・連結操作は必須であるが、遺伝的プログラミングとして操作を繰り返す際に、時間および精製操作時のDNA回収量のロスが大きな制約となる。そこで、3'端を化学修飾してDNAポリメラーゼによる伸長反応をブロックしたDNA鎖を用いる調整手法を開発し、問題を回避した。また、本研究では反応条件の最適化や実験の大規模化を実現するために、シミュレーションによる反応パラメータの探索を併用して行い、研究を進めている。その基礎である、非相補配列が多数存在する競合条件下でのDNA鎖のハイブリダイゼーション反応時における、エラー反応が起こる効率をモデル化した熱力学的反応モデルの予測性能を正確に評価することは重要である。この、反応モデルの予測性能を定量評価する実験を可能にする、タグーアンチタグ(TAT)ハイブリダイゼーション反応システム用のDNA配列セットを、遺伝的アルゴリズムを用いて設計した。
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Lecture Notes in Computer Science (LNCS) 5347
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Proceedings, SICE International Conference 2008, Chofu, Japan (Aug 20-23, 2008)
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