研究課題
基盤研究(B)
(1)BACトランスジーンを用いたゼブラフィッシュ嗅覚系機能構築原理の解析BACトランスジェニック技術を駆使することにより、ゼブラフレッシュの多く嗅細胞において「1細胞-1受容体」ルールが適用されるが、一部の嗅細胞においては「1細胞-複数受容体」となっていることを見出した。また同じファミリーに属する嗅覚受容体を選択発現した嗅細胞群は、それらの軸索を嗅球の特定の位置の糸球体群へと投射することを見出し、ゼブラフィッシュにおいても「標的糸球体への軸索集束」原理が当てはまることを証明した。(2)ゼブラフィッシュ嗅プラコード形成と嗅神経投射におけるCxcl12/Cxcr4の二次的役割Cxcl4ケモカインとその受容体Cxcr4は免疫系のみならず、神経系においても重要な機能を有する。ゼブラフェッシュにおいてCxcl12/Cxcr4シグナリングを欠損させると、(1)細胞の異常な移動による嗅プラコード形成の不全、(2)嗅細胞軸索伸長の異常が観察された。これらの結果から、嗅覚神経回路形成のための2つの重要なステップがCxcl12/Cxcr4シグナリングによって統合的に制御されていることが明らかとなった。(3)マウス嗅神経の標的糸球体への集束に重要な役割を果たす軸索ガイド分子BIG-2マウス嗅覚系における細胞認識分子BIG-2蛋白質の発現を詳細に解析すると、嗅細胞軸索のサブセットに特に高い発現が検出され、嗅球における糸球がBIG-2強陽性、弱陽性、陰性とモザイク状に観察された。またBIG-2の発現強度は嗅細胞における嗅覚受容体遺伝子の選択と強い相関関係を有していた。さらにBIG-2遺伝子欠損マウスを作製したところ、嗅細胞軸索の標的糸球体への集束に異常が観察された。以上の結果から、BIG-2は一次嗅覚神経系における「匂い地図」形成を司る重要機能分子であることが明らかとなった。
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