研究課題
(1)患者脳に蓄積する異常タンパク質の解析TDP-43のリン酸化部位特異抗体(pS409/410,pS403/404など)を用いて、FTLD-U、ALS疾患脳に見られるTDP-43の異常や蓄積を解析した。その結果、FTLD-U、ALSには全長TDP-43に加えて18〜26kDaのリン酸化C末断片が多く蓄積していること、それがFTLD-U、ALS、プログラニュリン(PGRN)変異を有するFTLDでそれぞれ異なったバンドパターンを示すことを明らかにした。また、ADやDLBの30〜50%にTDP-43の蓄積が見られること、そのC末のバンドパターンはプログラニュリン(PGRN)変異を有するFTLDに近いことを明らかにした。(2)蛋白質の構造変化に関する研究αシヌクレイン(αsyn)のN末からC末まで、約10アミノ酸ごとのペプチドを抗原にして作製した部位特異抗体を用いてその構造を解析した結果、C末端の抗体は強く反応するのに対し、N末や中央部分に対する抗体の反応が弱かった。一方、線維化したαsynはどの抗体もほぼ一様に強い反応を示した。この結果はαsynが溶液中である程度の構造をとっており、繊維化することによりその構造が大きく変化することを示す。また、凝集阻害効果を有する低分子化合物を添加すると化合物と結合したモノマーや二量体が形成されるが、それらはモノマーと線維のちょうど中間的な反応を示した。この結果から低分子凝集阻害薬が結合したαsynモノマーや二重体は線維形成のon-pathwayの中間体であり、阻害薬は構造変化したモノマーや二量体に作用して繊維形成を抑制することが示唆された。
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