研究課題
本年度は前年度に引き続き免疫不全マウスであるAID(IgA産生不全マウス)ならびにΔra(リュウマチモデルマウス)を無菌化してマウス固有の菌をグループごとに定着させ無菌マウス、通常マウス、ノトバイオートマウスでの病態発現を比較検討した。AIDでは腸管上皮でB220+PNA+細胞の増加が、これまでの報告でSegmental-filamentus-bacteria(SFB)がその病態発現の結果と考えられていたがSFB同様にEscherichia coli,fusiform-shabed bacteriaでも同様の細胞の増加と病態発現がみられ、Lactoabhcillusでは無菌マウスと同程度の細胞数で、Bacteroidesでは細胞数が無菌マウスに比べやや増加した程度で、どちらもその病態発現がみられなかった。Δraでも同様に無菌マウス、通常マウス、各種ノトバイオートマウスを比較し、病態を比較しているが現在のところ無菌マウスでは通常マウスに比べて足関節の肥厚が弱く、免疫賦活作用の強いLactobacillusではその中間に位置した。さらにこのLactobacillusの菌体を通常環境のΔraに投与したところ、足関節の肥厚が顕著に抑制された。定着する腸内菌により病態発現が強く影響をうけることが明らかになってきた。もう一つの研究テーマであるFISF法を用いたマウス腸内フローラの解析法については、既知のプローブ、我々が開発したプローブを用いていくつかのマウスの繁殖コロニーの糞便フローラを比較してた。その結果、各コロニーごとにその特徴は検出できた。モニター用としては十分に利用可能と考える。さらに、無菌マウスの生理的正常化に必要なClostridiumの分画において、FISH法で明らかなpopulationの違いを検出することができた。さらに、新たなプローブを作成して、マウス腸内フローラのモニタリングシステムの精度を向上させるよう、このプロジェクトを進めていく。
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