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2006 年度 実績報告書

幹細胞の分化誘導における分化度の非侵襲的計測法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18300144
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 睦  北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (20263212)

研究分担者 脇谷 滋之  大阪市立大学, 医学部, 講師 (70243243)
藤原 政司  北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (30229075)
キーワード再生医療 / 細胞分化 / 診断 / 間葉系幹細胞 / 細胞形態 / 非侵襲的
研究概要

ヒト骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)を10%ウシ胎児血清含有DMEM培地を用いてディッシュに播種し(0.75×10^3および1.5×10^3cells/cm^2)、37℃、5%CO_2の雰囲気下で細胞を接着させた後、分化誘導因子としてデキサメタゾン、TGF-β3およびIGF-1を含むDMEM培地に交換し、さらに1〜21日間培養した。これらの細胞の倒立顕微鏡像を経時的にデジタル保存すると共に、細胞をトリプシン処理により回収し軟骨細胞の特徴の一つであるアグリカンのmRNA発現率を定量的RT-PCR法によりヒト初代軟骨細胞をポシティブコントロールとして定量した。細胞画像をプリントアウトし、細胞の長径を測定した。また、細胞の形に沿って切り取り秤量し細胞の面積を算出した。面積の値を長径の値で割った値を便宜的に短径と考え、短径/長径比を算出した。
その結果、細胞のアグリカンmRNAの発現率は培養中経時的に増加した。一方、培養初期は長細い形態をした細胞が大部分だったが、円形に近い形態をした細胞の割合が経時的に増加した。一方、分化誘導因子を含まない培地で培養した細胞にも丸い形態をしたものが少数存在したが、それらは比較的面積の小さいものがほとんどであった。以上の観察結果を参考にし、丸い細胞は短径長径比が比較的大きいと考え、面積値と短径/長径比の組み合わせの中から、アグリカン発現率と相関関係をもつパラメータを検索した。その結果、[面積>4000μm^2]かつ[短径/長径>0.3]の条件を満たす細胞数が全細胞数に占める割合に対して、アグリカンの発現率をプロットした場合に比較的高い相関関係(r^2=0.98)という高い相関関係が得られた。以上のことから、細胞形態の顕微鏡観察画像の解析により間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化度を非破壊的非侵襲的に診断できる可能性が明らかとなった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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