研究課題/領域番号 |
18300149
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
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研究分担者 |
大内 克洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084)
星 英男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 支援推進研究員 (30420251)
片岡 弘之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 機関研究員 (90397000)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
進士 忠彦 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (60272720)
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キーワード | 磁気浮上遠心血液ポンプ / 小児用人工心臓 / 模擬循環回路 / 心機能 / 心臓移植 / 左心補助人工心臓 / 人工心肺 / 膜型人工肺 |
研究概要 |
●2軸(X,Y方向)の能動的磁気軸受を土台に、ラジアル方向の磁気カプリングにより回転駆動可能な完全非接触式、1)ディスポーサブル型遠心血液ポンプと2)植え込み式遠心血液ポンプを試作し、性能評価を行った。ディスポ型は外部モーターにて駆動しポンプ部は取り外しができるデザインとし、植え込み式はインペラーがモーターのローターとして回転するディレクトドライブ方式とした。インペラーは両者共通で羽根6枚を有し、直径が50mmで、外径は64mmであった。ディレクトドライブ式は、ポンプ部及びモーター部を含めた厚みが32.5mmでその体積は110mlと世界最小の磁気浮上遠心血液ポンプを実現した(平成18年4月24日日本経済新聞報道)。ポンプ性能はヘッド圧100mmHgに対して、毎分4-5リットルが可能であり、ポンプ効率は20%を維持し、溶血指数は、メドトロニック社製のBio-Pump BP-80を上回る0.001g/dLを実現した。 ●スターリング機構を有する循環シミュレーターの開発を目指し、パッシブフィル式左心モデル及び生理学的な大動脈コンプライアンスの再現が可能な模擬心臓、大動脈及び末梢血管の機械モデルの設計・試作を行った。 ●小児用小型遠心血液ポンプ、TinyPumpの人工心肺、膜型人工肺への応用を目標に、平均体重3Kgの新生豚を用いた急性実験を行った。人工肺と組み合わせた回路内の充填血液量は世界最少の68mlを実現した。小児用送血管(2.6,3.0,4.0mm)を用いた時の、回路内圧損、回転数と流量の関係、溶血量、軸受部における血栓形成などについて評価を行った結果、我々が開発した充填血液量が5mlのTinyPumpは、開心術を要する新生児症例において、無輸血で、感染症や炎症反応のリスクを軽減し、術後QOLの向上に寄与できることが示唆された。
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