研究課題/領域番号 |
18300151
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮崎 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (00263228)
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研究分担者 |
山本 憲隆 立命館大学, 理工学部, 教授 (40210546)
和田 成生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70240546)
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / 伸展 / ひずみ負荷 / 細胞骨格 / アクチンフィラメント / 力学的特性 / 原子間力顕微鏡 / バイオメカニクス |
研究概要 |
1.細胞用繰り返しひずみ負荷装置の設計と製作 原子間力顕微鏡(AFM)が組み込まれた共焦点レーザ顕微鏡のステージ上で、繰り返し伸展ひずみを負荷しながら細胞の培養が行えるとともに、AFMによる細胞の力学的特性計測および内部微細構造の共焦点蛍光観察を行うことのできる装置を設計・製作した。細胞が接着したシリコーンシートの両端を、リンク機構で互いに連結されたグリップで把持し、一方のグリップを移動させることによってシートを両側から均等に伸展させる構造であるため、シート中央付近に存在する細胞はシートが伸展されても顕微鏡視野内にとどまり、ひずみ負荷前後に同じ細胞を観察することが可能であった。装置を覆うようにアクリル性の保温ボックスを設置し、購入した炭酸ガス濃度コントローラでボックス内に導入するCO_2濃度を5%に制御するとともに、顕微鏡ステージをヒータで加温することによって、装置全体を培養環境下に置くことができる。 2.製作装置の性能評価 上記装置に取り付けたシートに10%の静的伸展ひずみを与え、シート中央部のひずみ分布を画像解析によって調べた。ひずみ分布はほぼ一様で、伸展方向のひずみは約9%であり、伸展と垂直方向には約1.5%の圧縮ひずみが生じていた。また、シート上に接着した血管平滑筋細胞のAFM計測、およびアクチンフィラメントの共焦点蛍光観察が可能であった。しかし、操作上の問題から、シートの伸展前後に同一の細胞のAFM計測を行うことが困難であったため、装置の改良を行っている。 3.細胞内ひずみ分布の計測 シートに10%の設定で静的伸展ひずみを与える前後に記録した平滑筋細胞の画像から、シートに負荷するひずみの大きさと実際に細胞内に作用するひずみとの関係を調べた。主ひずみの大きさおよび主方向は細胞の内部構造に大きく依存し、細胞核の存在する領域では、細胞質領域よりもひずみが小さかった。
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