研究課題
本研究で我々は、光音響イメージングと多光子イメージング両方の利点を活かした新しいイメージング技術である多光子励起光音響イメージング(multiphoton excitation-assisted photoacoustic imaging(MEAPAT))法を開発し、その測定システムを構築した。この方法は、生体深部を高空間分解能で計測するのに極めて有効な方法である。以下に詳細を示す。1.多光子励起による光音響波を周波数の低い音響トランスデューサで検出できることが明らかとなった。従来の光音響イメージングではどのくらいの深さ部分まで観察することが出来るかどうかは、音響トランスデューサの周波数によって制限されていたが、周波数による制限なく、より深い部分のイメージングが可能であることが示された。2.多光子励起光音響イメージングと通常の光音響イメージングとにより測定された血管ダミー(液体で満たされたガラスチューブ)の断面形状を比較し、多光子励起光音響イメージングの方がより正確に断面形状を捉えていることを示した。3.多光子励起光音響波発生の理論計算により実際の測定で得られる結果を正確に推測できることを示し、この理論計算を元に、多光子励起光音響イメージング(20倍の対物レンズ、10MHzの音響トランスデューサを使用)により得られる深さ分解能を計算したところ、10μm以下であることがわかった。この結果は、同じ周波数の音響トランスデューサを用いた通常の光音響イメージングに比べて、多光子励起光音響イメージングのほうが深さ分解能の向上が図れることを意味している。4.多光子吸収断面積と熱膨張率/比熱の値が大きいほど、多光子励起光音響信号が大きくなることが明らかとなった。そのような物質を血管造影剤として使用すれば、生体深部の毛細血管のイメージングが可能となると考えている。
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Proceedings of SPIE 6853
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Cardiovascular Research (in press)
Proceedings of SPIE 6631
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