研究課題/領域番号 |
18300154
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
吉見 靖男 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (30267421)
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研究分担者 |
八木 透 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (90291096)
金森 敏幸 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 研究チーム長 (50356797)
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キーワード | 人工シナプス / 電気化学マイクロポンプ / 微細加工 / ポリジメチルシロキサン / 蛍光イメージング / 膜電位感受色素 / 神経細胞 / 櫛形電極 |
研究概要 |
1.シリコーン樹脂を本体とした電気化学マイクロポンプの設計 微細加工に適したシリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン:PDMS)に、流路を象った鋳型を入れて固化し、ポンプ本体を作製した。電気化学マイクロポンプを作製した。この本体に、櫛形白金電極を作製したガラス板と貼り合わせた。また熱で引き延ばしたガラス管を、本体に刺し入れて、ノズルとした。蛍光物質水溶液の吐出を、蛍光顕微鏡で確認した。しかし電位印加開始から、吐出開始までに数十sかかった。このままでは、神経細胞の膜電位のリアルタイム制御には適さない。これは水の電気分解による気泡の発生の際に、PDMSが変形したためと考えられる。そこで本体をアクリル板で補強し、変形を防いた。その結果、電位印加開始から、吐出までにかかる時間は0.5sにまで短縮された。この時間を0.05sにまで縮めることが当面の課題である。 2.神経膜電位の光学的測定法の開発 汎用される脂溶性膜電位感受性蛍光色素であるDi-4-AEPPSのエタノール溶液をアメフラシ体液と混合し、その中に神経節を浸すことで、アメフラシ神経細胞が良く染まることを見出した。染色された神経細胞は静止電位を保っていたものの、電気刺激や化学刺激に応答した膜電位のスパイク状変化(活動電位)の発生が見られなかった。この原因は、蛍光反応に並行して発生する活性酸素によって、神経細胞におけるレセプターなどの膜タンパク質が何らかの傷害を受けたことにあると考えられる。申請者は、この活性酸素に抗酸化剤を大量投与することにより、この傷害を防ぐことは可能であり、ひいては複数の神経細胞の膜電位モニタリングも可能になると考えている。
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