研究課題/領域番号 |
18300155
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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研究分担者 |
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00307670)
福長 一義 杏林大学, 保健学部, 助手 (30366405)
矢口 俊之 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70385483)
樋上 哲哉 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60335429)
住倉 博仁 東京電機大学, フロンティア共同研究センター, 助手 (20433998)
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キーワード | 人工心臓 / 補助人工心臓 / 軸流血液ポンプ / 流体動圧軸受 / インペラ / 数値流体解析 / ポンプ特性 / 溶血実験 |
研究概要 |
本研究では、小柄な邦人女性にも埋め込み可能で5年以上の耐久性を有する補助人工心臓を実現するために、流体動圧軸受を応用した動圧浮上軸流血液ポンプの開発を目的としている。本年度は試作機の開発を行った。 1.3次元非線形動磁場解析を用いて、軸流血液ポンプ用ブラシレスDCモータの設計を行った。解析を元に、ステータ直径27-39mm、高さ12mmのヨークを積層珪素鋼版にて試作した。 2.数値流体解析(Computational fluid dynamics)を用いて、速度ベクトルから血液の停滞部位の特定、および圧コンターからポンプ性能の予測を行った。解析結果を元にインペラの設計を行い、光造型機を用いて直径14mm、全長35mmのインペラを試作した。 3.軸流血液ポンプ用円錐型動圧軸受の設計開発を行った。試作した2つの円錐型動圧軸受、ロータヨーク、および永久磁石を用いてスピンドルロータの試作を行った。サイズは直径25mm、全長35mm、重量34.4g、容積10mlであった。 4.上記要素で構成した、全長116mm、直径42mm、重量138.9g、容積75mlの軸流血液ポンプを試作した。 5.軸流血液ポンプを粘性が血液と同じ3.3cPのグリセリン水溶液を満たした模擬循環回路に接続し、ポンプ特性の評価実験を行った。回転数8,500rpmにて左心補助条件である流量5L/min、揚程100mmHgを達成可能であった。また渦電流センサを用いて軸受の浮上距離を計測した結果、回転数8,500rpmにて約40μmの浮上距離が得られた。本ポンプは補助人工心臓として十分なポンプ性能を示した。しかし、牛購入血を用いた溶血試験を行った結果、臨床に使用可能な溶血性能は得られなかった。 次年度、溶血性能の改善に重点を置き、インペラや動圧軸受形状の改良を進めていく予定である。
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