研究課題/領域番号 |
18300158
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80113538)
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研究分担者 |
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80291235)
加我 晴生 独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 主任研究員 (20356752)
鳴海 敦 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60443975)
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キーワード | 糖鎖ポリマー / リビングラジカル重合 / マルトオリゴ糖 / ポリマーミセル / ミクロ不均質構造 / 生体適合性 / 抗血栓性 / コーティング |
研究概要 |
リビングラジカル重合の開始剤として、アセチル化されたグルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、およびマルトヘキサオースを有するTMEPO誘導体を合成し、これらを用いたスチレンの重合を行った。糖鎖の生成ポリマー末端への導入は定量的であり、また、末端に糖鎖誘導体が導入したポリスチレンの分子量分散度は1.1から1.2と狭くなった。次に、糖鎖開始剤とスチレンとの仕込み比を変化させることによって、糖鎖長とポリマー鎖長の異なるサンプル(グルコース残基が1、2、3、4、5および6で、スチレンの重合度が約50、100、および200に制御された計18種類のサンプル)を合成し、これらを脱アセチル化し、末端に親水性の高い糖鎖が結合したポリスチレン(糖鎖末端ポリスチレン)に変換した。 糖鎖末端ポリスチレンは、ポリスチレンの良溶媒中において、糖鎖をコアとする逆ミセル型のポリマー集合体を形成した。ポリマー集合体の分子量は静的光散乱測定(SLS)によって見積もり、会合数の算出を行った。その結果、糖鎖末端ポリスチレンの会合数は、導入したグルコース残基数の増加とともに増加し、また、同数のグルコース残基をするポリスチレンの会合数はポリスチレンの分子量と共に減少した。この様に、糖鎖末端ポリスチレンの会合性は導入したグルコース残基数とスチレンの重合度により制御可能なことが明らかとなった。
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