研究課題/領域番号 |
18300159
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
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研究分担者 |
小代田 宗一 秋田大学, 医学部, 講師 (80400480)
永井 宏和 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50282190)
中田 憲 秋田大学, 医学部, 助教 (50400510)
小泉 幸央 秋田大学, 医学部, 助教 (80353465)
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キーワード | 細胞工学 / 歯胚 / エナメル芽細胞 / 象牙芽細胞 / 歯再生 |
研究概要 |
自発的に不死化された間葉系細胞系を用いた歯再生について報告する。E14.5マウス歯胚から解剖学的に分離し、dispase IIとDNase Iを用いて酵素処理を行い、胚葉性上皮組織を得た。次に分離した胚葉性上皮組織と我々が樹立した象牙芽前駆細胞odontoblast-lineage cells(OLC)とをコラーゲンドロップ内で三次元的に再配置した。この間葉系細胞の象牙質形成能を評価するために、まず、三次元歯胚器官培養法をin vitro系で行った。in vitro再構成培養系の開始後3日目でも、播種したOLCは円柱状の構造を保っていたが、2週間後になると、OLC細胞塊は外見的に上皮組織周囲で収縮してしまった。次に、このような三次元的に再配置したOLC-上皮組織をマウスの腎皮膜下に移植し、2週間観察した。in vitro及びin vivoにおけるグループVI(胎生14.5日目の上皮組織とOLC)の組織切片は、コラーゲンを含んだ青色のデンチン層と脱石灰化した赤茶色のエナメル層とが明らかに区別された。GFP陽性の細胞は免疫組織染色法により移植部で観察でき、OLCがバイオ再生医学で形成した歯胚に存在していることを明らかにできた。これらの結果から、移植した3分の1が歯組織に分化した。OLC由来GFP陽性の細胞は免疫組織染色法にて石灰化した歯胚に存在していることを証明できた。OLCは上皮-間葉系相互作用により機能を持った象牙芽細胞に分化したことが分かった。以上のことから、歯再生実験において、OLCは歯間葉系組織に充分代替できる細胞であることが判明した。従って、我々が樹立したOLCは歯の分化・再生過程において有用な研究材料になると思われる。
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