(1) 膜介在型チップの開発:バイオマテリアルを導入した膜で培養室を区切り、その膜の上の流路と下の流路を独立させ、膜の上に肝実質細胞、下に内皮細胞を接着させたチップの開発をおこなった。それぞれの細胞種が密に接着できるように、流路を短くした。CYPの活性を測定し、一定の活性レベルを確認できた。 (2) In vitro肝組織構築とそのマイクロ培養装置への応用:内皮細胞ネットワーク管状構造の周囲に初代培養肝実質細胞が接着する類洞肝組織構造のマイクロ培養装置の開発に成功した。この培養はEHSゲル等のバイオマテリアルを用いる必要があるため、培地の流入圧に耐えられる必要があるので、培地流入口を工夫した。 (3) (2)の類洞様構造について、組織学的検討を行い、切片および共焦点顕微鏡による観察から管状構造を確認した。 (4) 上記の(1)と(2)では内皮細胞として上皮細胞との融合株を用いたが、より本来の肝組織に近づけるために、マウス肝臓から類洞内皮細胞を精製・培養することに成功した。今後は、上記の(1)と(2)の系に応用し、さらに薬物代謝試験に役立つための肝組織チップの実用化を目指したい。
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