研究課題
本研究では、包含性の高い空中型ペプチドナノキャリアに標的特異性を付加することで、能動的にデリバリーできる新規DDS用生体材料を構築し、診断薬・治療薬に応用することを目的としている。昨年度は、ナノキャリア自体に近赤外蛍光標識を付けて、担がんマウスに投与し、生体内での動態を光イメージングより評価し、より良い系の構築を行うための情報収集を行った。まず、いくつかの試作品をつくり、これまでに構築してきた培養細胞系等で機能評価および動物による生体適合性評価を行った結果、1)ナノキャリアが腫瘍にEPR効果により集積するためのサイズが30nm程度でもみられるが、100nm程度にした方が、より腫瘍以外への分布を抑えることができることが分かった。2)100nm程度のサイズのナノキャリアを安定に作成する条件を決定することができ、また、外側に材料を付加するためのイメージング材料の構築と付加するためのリンカーの調整・条件検討も行った。3)イメージングのための近赤外蛍光標識をつけた融合タンパク質を内包したものを動物に投与して、生体内動態をイメージングシステムを用いて観察したところ、ナノキャリアは、生体内でも安定に融合タンパク質を内包したままデリバリーされていることを示唆する画像が得られたと共に、腫瘍への集積を確認することができた。これらの結果から、このナノキャリアは、新規DDSとして十分機能しうることが確認できた。
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