研究課題/領域番号 |
18300164
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
妹尾 昌治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90243493)
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研究分担者 |
多田 宏子 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60271061)
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キーワード | がん細胞 / 細胞表面マーカー / DNAマイクロアレイ / 球面自己組織化マップ / 脳腫瘍 / 乳がん / 分子標的 / ErbB2 |
研究概要 |
がん細胞の表面マーカーを探索する目的で収集した細胞は、マウスの神経芽細胞腫あるいは脳腫瘍に由来する5種類、ヒトグリオーマ(脳腫瘍)に由来する10種類、ヒト乳がんに由来する9種類である。これらの細胞からをtotal RNA抽出するとともに、正常組織のコントロールtotal RNAとしては、市販のマウス正常脳、ヒト胎児および成人正常脳、ヒト成人女性正常乳房に由来するものを利用した。これらのRNAを用いて細胞表面マーカーDNAマイクロアレイに対するハイブリダイゼーションを行い、遺伝子発現プロフィールの作製を試みている。 先行しているマウス腫瘍の解析において、球面自己組織化マップを応用して遺伝子発現プロフィールを比較した。その結果、マウス脳腫瘍に特異的なマーカーとして複数の候補を挙げることができた。これらの中には、神経系の細胞増殖に関与しているものが多く含まれているので、今後これらを絞り込み、腫瘍標的の分子マーカーとしていくために、定量的PCRや免疫化学的検証を行っていく。 一方で、乳がんなどで過剰発現していることがあるErbB2に対する分子標的をデザインしている。ErbBファミリーのリガンドとしてはEGFファミリーがすでに良く知られているが、ErbB2のリガンドは特定されていない。そこでファージディスプレイにより報告されている12アミノ酸から成るペプチドを用いて、バイオナノ粒子の細胞親和性部分をデザインして、再標的化の検討を始めている。基本的には、バイオナノ粒子の構成単位であるB型肝炎ウイルス表面抗原Lタンパク質の肝細胞親和性領域を、このペプチド配列へ置き換える際に必要なスペーサーとなるペプチドの長さを検討している。現在、最適化されたデザインとして必要な長さのスペーサーをスクリーニングしている。この最適化は、今後得られる標的分子の情報に応用できると考えられる。
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