研究課題
ヒトグリオーマ(脳腫瘍)に由来する10種類の細胞およびヒト乳がんに由来する9種類を用いて、細胞表面マーカーDNAマイクロアレイに対するハイブリダイゼーションを行い、遺伝子発現プロフィールを作成した。このプロフィールに対して球面自己組織化マップによりクラスタリング解析を行った結果、正常組織のコントロール(マウス正常脳、ヒト胎児および成人正常脳、ヒト成人女性正常乳房)と比較して、それぞれの腫瘍種に共通なマーカーを絞り込み、新しい腫瘍マーカーとして機能する可能性のある候補としてグリオーマではCD44、乳がんではTH9SF2を抽出した。これらの結果は定量的PCRや免疫化学的に検証を行った結果、腫瘍に共通して発現し正常組織では発現が低いことが明らかとなった。これらの分子標的を行うためのリガンドの調製を検討しているが、CD44に関しては、ヒアルロン酸への親和性が高いことから、すでに腫瘍中の新生血管を標的することに成功しているシアル酸と置き換えた方法論により脳腫瘍の分子標的システムを構築している。一方で、既知の腫瘍マーカーであるErbB2に対する分子標的を行うデザインとしてErbB2に親和性を持つ12アミノ酸のペプチドリガンドをバイオナノ粒子の表面に提示して、分子標的を行うために、担癌マウスにおける標的効果を確認した。ErbB2の発現量が異なる2種類の細胞を移植したマウスへ尾静脈から、ルシフェラーゼと融合したリガンドを注射して、経時的に腫瘍中へ基質を注射すると1時間経過後から腫瘍部位に発光が検出された。発光の強さは細胞の表面に存在するErbB2の量に相関しており、分子標的がin vivoでも可能である事が示された。
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